真の師について教えて下さい。

が写真の師として心を仰ぐ人は、土門拳先生です。直接の出会いはありませんでしたが戦後をリードした写真家で社会変革のため、写真を撮らなあかんと思っている人でした。私は、先生からリアリズム写真の精神を受け継ぎました。これは、ドキュメンタリー写真、いわゆる記録写真とスタンスの違いのある写真である。ドキュメンタリー写真が第三者のスタンスであるのに対し、リアリズム写真は第二者のスタンスである。第三者として客観的に撮るのではなく、第二者という一定の距離を保ちつつ客観という一線をのりこえて自分ももがきながら、体ごとぶちあたって撮る、それがリアリズム写真の精神です。

回、行われた猪飼野写真展の大反響について思われることは。

ず、この写真集『猪飼野―追憶の1960年代』の本は4月に出版したのですが、これは写真撮影より30年が経ったので肖像権の問題を解消し、さらに南北和解ムードの中、写真集作成に踏み切りました。3、4年前なら文句が出ていただろうけれど(笑い)。さらに、この写真集の写真展としてまず、このふるさとの地でやりたいと思っていたころ、いろんな方々のご協力のおかげで御幸森小学校で開催することができました。5日間で3000人の人たちが来てくれまして、家族あげて子供や孫たちにも見せようとやって来てくれました。ものすごい反響で、おばあさんがいい写真を残してくれたといって大粒の涙を流しながらじっと写真の前に立ちつくしていたのが印象的でした。そのあと、昔、私
も車引きをやったんよと言われ、帰ったあとビニール袋に入った1円玉や5円玉の袋を寄付したいといって手渡してくれたのです。その真心にお応えしたいと思い、その場で写真集にサインしてプレゼントさせていただきました。写真集も売れ切れるぐらい好評で、親戚中に配りたいからと言って下さり本当に有難く思いました。

後に今後の抱負をお願いします。

年から、古代の朝鮮の渡来文化の足跡をテーマに写真集を出そうと思っています。これで日本での仕事は終わりで次の目標は韓国です。私は常に
▲新しいテーマへ向けての抱負を語る゙氏
3年先ぐらいの目標をもっているといった張り合いがないといけないと思っています。その目標も自分でつくらないと刺激にならない。最後に人間はやっぱり知恵を出さないといけない。それも一人でなく、みんなで知恵を出し合うことが大事だし、みんなが自由に集まれるような、そういった場、サロンのようなものがいると思っています。(取材・文:井上)

チョ・ジヒョンさんの「猪飼野」写真集の出版社は新幹社、定価2800円(税別)
電話番号03-5689-4070 FAX03-5689-2988でも注文できます。
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